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ブラッシングでスキンシップを。病気の早期発見にも

もっと知りたい猫ちゃんのこと

猫ちゃんのごはん事典
猫ちゃんのごはん事典

猫ちゃんとのHappy Life のために
監修:桑原動物病院副院長 桑原久美子

  • 大切なパートナー あなたの猫ちゃんを迎える前に
  • すべての基本 猫ちゃんの食事
  • もう迷わない キャットフードの選び方
  • 気まぐれ猫ちゃんのための食事提案
  • 健全な食事の与え方
  • 予防と早期発見
  • もっと知りたい猫ちゃんのこと

7.もっと知りたい猫ちゃんのこと

7.もっと知りたい猫ちゃんのこと

「 これから長く付き合っていくために 」

猫と人間の付き合いは、キプロスやエジプトで紀元前5000年には始まっていたといわれています。5世紀初頭には、猫は仏教の経典をインドから中国に運ぶ際に、ネズミの害から守るという役割を与えられ一緒に旅をしました。
古くから私たち人間と密接なかかわりを持ってきた猫ちゃんについてもう少しお話ししましょう。

  • 食事量の目安
  • 食事の回数
  • ライフステージによる食事の切り替え
  • 水の与え方
  • 猫ちゃんに与えてはいけないもの
  • 複数飼い猫ちゃんの食事の与え方
  • 複数飼い猫ちゃんの食事の与え方

スキンシップ

スキンシップ

猫ちゃんは本来、独立性の高い動物ですが、家の中で人間と一緒に暮らす猫ちゃんは、実に甘えん坊です。そんな猫ちゃんにとって、スキンシップは飼い主との大切な絆になります。
優しく声をかけながら体を撫でる、猫じゃらしなどのおもちゃを使って遊ぶ、ブラッシングをするなど、これら全てが大切なスキンシップです。
スキンシップは、猫ちゃんとのコミュニケーションを親密にする効果もあり、飼い主への信頼と安心を育てます。またスキンシップは、病気の早期発見にもつながるものです。

グルーミング(毛づくろい)

グルーミング(毛づくろい)

猫ちゃんは、舌で全身を舐めて毛の手入れをするグルーミング(毛づくろい)をおこないます。
グルーミングには、毛並みを整え清潔にする、健康な皮膚を維持する、全身に自分の匂いを付ける、精神を安定させるなどの理由があるようです。自分でおこなうセルフグルーミング、敵意のないことを表すために猫ちゃんどうしでおこなうアログルーミングがあります。
グルーミングは多くの時間をかけておこなわれるために、その時に飲み込んだ毛が胃にたまって毛玉(毛球)になってしまうことがあります。
通常、猫ちゃんは便とともに飲み込んだ毛を排泄したり、毛玉を吐き出しますが、食物繊維の含有量を増やして、便と一緒に毛を排出させる作用のある「毛玉ケア用のフード」を給与することも有効です。猫草なども、胃腸を刺激して排泄や嘔吐をうながし、飲み込んだ毛を体外に出しやすくしてくれたりします。また毎日、ブラッシングすることで、グルーミングした時に飲み込む毛の量も少なくできます。
グルーミングは猫ちゃんにとって習性ですが、ストレスやアレルギーなどでの過剰なグルーミングを行い、皮膚炎になることもありますので注意しましょう。

マーキング

マーキング

マーキングとは、自分の目印をつける行動のことで、オス、メスともにやります。主にツメとぎ、身体をこすりつける、便、尿スプレーをするなどですが、特に飼い主にとっての困った行動は尿スプレーです。
完全室内飼育で行動範囲が狭いこと、飼育環境の変化、多頭飼育、ストレスなどが要因とも言われます。猫の種類や性別や性格などによってもマーキングの仕方はさまざまで、原因に合わせて環境を改善しましょう。また、去勢・避妊手術も効果的です。

去勢手術・避妊手術

去勢手術・避妊手術

春から夏にかけて日照時間が長くなると、早い猫ちゃんなら生後5~6カ月くらいで発情がきます。発情がくれば食欲がなくなったり、大声で鳴き、性格が変わったかのようになったり、オスでは臭いの強い尿スプレーをしたりと飼い主にとっては困る行動も多くなります。
成猫になっても去勢・避妊手術は可能ですが、子猫を産ませないのであれば生後6カ月くらいで手術を受けさせることをお勧めします。去勢・避妊手術をすることで生殖器の病気が減少し、発情時の鳴き声や尿スプレーなどの行動からも解放されます。
去勢・避妊手術をすると肥満になりやすくなる傾向がありますので、太りすぎないように食事や飼育環境には注意が必要になります。

ノミ対策

ノミ対策

家の中だけで飼っているからといってノミはいないと安心はできません。外で飼い主に飛びついたノミが、飼い主によって室内に持ち込まれてしまうこともあります。家の中に侵入したノミは冬でも暖かいため1年中繁殖し、猫だけではなく人にも寄生します。
猫ちゃんがノミに刺されるとノミアレルギー、脱毛、かゆみによるストレスだけでなく、ノミの媒介する寄生虫に感染することもあります。
猫ちゃんの皮膚にかゆみや脱毛があったり、毛に黒っぽい小さい砂粒のようなものがついていたら要注意です。ノミの糞かもしれません。動物病院で処方されるお薬を使ってノミの駆除をし、猫ちゃんの行動範囲を徹底的に掃除しましょう。
ノミの寄生していない猫ちゃんも定期的に予防薬を使ってノミ予防するとよいでしょう。成虫だけ駆除しても、卵、幼虫、さなぎの駆除をしないとノミの根絶は難しいものです。

耳のケア

耳のケア

猫ちゃんの耳は、きれいならば日頃のケアは特に必要ありません。汚れが目立つようであれば、ティッシュなどで優しく拭いてあげましょう。ごしごしこするとかえって傷がつくことがあるので気をつけましょう。
猫ちゃんの耳の病気には、外耳炎が多くみられます。外耳炎をおこす原因にはアレルギー、耳ダニ、細菌やマラセチア(カビの一種)の異常増殖、異物や腫瘍などがあります。耳の周辺をかいたり頭を振ったりといったことが多くなったり、黒い耳垢が見られたら耳ダニやマラセチアに感染しているかもしれません。また、外耳炎が悪化し、さらに奥の内耳にまで炎症がおこると難聴や平衡感覚が狂うといった神経症状をおこすこともあります。異常があると思ったらすぐに獣医師に診察してもらうようにしましょう。

歯のお手入れ

歯のお手入れ

猫ちゃんの歯に歯垢がたまったときなど、口臭がする場合があります。歯垢は歯肉炎や歯周病、歯槽膿漏の原因になるものなので、普段から歯のお手入れを心がけるとよいでしょう。
ただし猫ちゃんは、ワンちゃんとちがって歯磨きの訓練が難しく、歯磨きを継続することは大変です。そこで硬い物を食べさせることがお勧めです。硬い物を噛むことで歯磨きと同じような効果が得られますので、ドライフードなどの硬いフードを与えて歯のお手入れに努めましょう。

監修:桑原久美子
日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)獣医学部卒業。
神奈川県藤沢市 桑原動物病院副院長。
開業しながら、多数の犬・猫・小鳥を伴侶にし、経験をもとに獣医師と患者の立場で執筆活動をしている。主な著書に「正しいネコごはん 愛のQ&Aブック」(角川グループパブリッシング)、「新・子ネコの育て方百科―誕生から12ヶ月まで ネコの気持ちがわかるやさしい育児書」(誠文堂新光社)がある。

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