はじめて猫ちゃんを飼うために。必要な準備と心構えについて
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猫ちゃんとのHappy Life のために
監修:桑原動物病院副院長 桑原久美子

1.大切なパートナー あなたの猫ちゃんを迎える前に...
「 知っておきたい4つのこと 」
さあ、これから大切な新しい家族を迎え、今までには感じられなかった喜びや驚き、時には心配の日々が始まります。猫ちゃんとの生活は、きっとあなたに豊かな時間を与えてくれることでしょう。猫ちゃんを迎える前に、まずは4つのことを把握しておきましょう。
猫ちゃんとの生活を始めるための準備
家にやって来るのは、ペットショップで目と目が合ってしまい、運命を感じてしまった猫ちゃん?それとも友人や知り合いの家で生まれた猫ちゃんでしょうか?もし、あなたの猫ちゃんが子猫だったら、生まれてはじめて母猫と離れての一人旅かもしれません。知っている人は誰もいない、頼れるのはあなただけです。迎え入れるにあたっては、猫ちゃんが不安がらないよう必要なものは前もって準備しておきましょう。
●猫ちゃんのために、最低限必要なもの
1.キャリーバッグ
移動での猫ちゃんの不安をやわらげるために、キャリーバッグにペットシーツや清潔なタオルを敷き、快適な環境にして連れてきましょう。猫ちゃんがゆっくり新しい環境を探索して慣れるための時間を考慮して、飼い主が長時間目の届く時間帯に家に迎え入れるのが望ましいといえます。また、キャリーバッグは健康検診や病気の時の通院など移動時にも必要です。
2.トイレ
3.トイレ用の猫砂
新しいトイレを教えるには、猫ちゃん自身のオシッコの臭いがついた砂を少量入れてあげることが有効です。今まで使用していたトイレの砂を新しいトイレに混ぜてあげるとよいでしょう。もし、失敗してトイレ以外の場所にオシッコをしてしまっても、怒らずにすぐにトイレまで連れて行き、場所を教えます。市販の猫砂は、水に流せるタイプや固まるタイプなど、いろいろな種類が用意されています。居住地のゴミ収集の状況などに応じてどのような砂を選ぶかはあなたと猫ちゃんの好み次第ですが、猫ちゃんが今まで使用していたものから徐々に慣れさせていきましょう。
4.ベッド
一説には、猫は「寝る子」からその名がついたといわれることもあるように、特に子猫の時には、寝て→起きて→寝ての繰り返しです。猫ちゃんが安心して休める静かな場所に、ベッドを用意してあげましょう。市販のベッドの他、バスケットや段ボールに毛布やタオルを入れて用意することもできます。猫ちゃん自身の匂いのついたタオルなどを置いてあげると、新しい場所でも落ち着きます。寒い季節には、ヒーターの準備も忘れずに。
5.ごはんや水飲みの容器
6.フードと新鮮な水
7.猫じゃらしなどのおもちゃ
猫ちゃん専用の容器を決めて、年齢に応じたフードを用意し、常に新鮮な水を飲めるよう心がけましょう。猫じゃらしなど興味を示すおもちゃでたっぷり遊んであげてください。その時に注意するのが、大切な物や猫ちゃんが飲み込んでしまいそうなもの(洗剤、薬、針、糸など)をしまっておくことです。あなたとの落ち着いた関係が保たれるまでは、高価な置物や花瓶などを倒したり落として割ってしまうこともあります。猫ちゃんにとって家は遊びの王国なのです。これは猫の習性であり、魅力の一つでもありますから、何もさせないように禁止するよりも、一緒に楽しめる環境を作りましょう。
8.ツメとぎ
猫ちゃんにとってのツメとぎは本能的な行動です。ツメが引っかかるような場所であれば、カーペット、籐家具、壁などどこでもツメとぎをします。一度場所を決めると、そこが自分のツメとぎスペースと認識してしまうようですから、大切な家具をキズつけないためにも、専用のツメとぎを用意しておきましょう。市販品の他に段ボールやカーペットの切れ端で代用することもできます。ツメとぎを教えるには、前足を持ってこすりつけるように、猫ちゃん自身の足裏の匂いをつけさせます。
※トイレ、ベッド、食事、ツメとぎは、猫ちゃんが新しい環境に慣れるまで近くにまとめて置きましょう。また、子猫の大きさに合った容器、トイレの準備をしましょう。
新しい環境に迎える際の注意点
あなたの猫ちゃんは一頭飼いでしょうか?それとも複数飼いでしょうか?先住のペットがいる場合には、今まで以上に前からいるペットたちに愛情を注ぎ、ストレスのない状態で新しく来た猫ちゃんを紹介しましょう。できれば初めは別々の部屋で過ごさせ、だんだんお互いが顔を合わせる時間を増やしていくようにします。どんな動物同士にも相性がありますが、あなたの変わらぬ愛情が得られるとわかれば、先住のペットたちも、新入り猫ちゃんのことをやさしく迎え入れてくれるでしょう。
部屋の中だけで飼う猫ちゃんはもちろんのこと、外出自由にして飼う予定の猫ちゃんも、新しい家に連れてきたばかりの時は、飛び出してしまわないように窓やドアが開いていないか注意してください。初めての場所から表に出てしまうと、戻って来られないばかりでなく、転落事故や交通事故などに遭う危険性もあります。
猫ちゃんの年齢について
猫ちゃんは、私たち人間よりもずっと早く年を取っていきます。哺乳類ではどんな動物も種類にかかわらず、一生のうちに打つ心拍数は決まっていて、人間よりも心拍数の早い分、寿命が短いといわれています。一緒に暮らす猫ちゃんの年齢を知っておくことは体調管理のうえでも大切なことです。
猫ちゃんの細かい年齢のとらえ方にはいろいろあり、食事、生活環境、猫種、飼い主の意識などにより個体差があります。下表は一緒に暮らす猫ちゃんの年齢のおおよその目安です。
●猫と人間の年齢換算表
年月 | 人間の年齢 | 年月 | 人間の年齢 | 年月 | 人間の年齢 | 年月 | 人間の年齢 | 年月 | 人間の年齢 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1ヶ月 | 1才 | 1年 | 17才 | 6年 | 40才 | 11年 | 60才 | 16年 | 80才 |
2ヶ月 | 3才 | 2年 | 24才 | 7年 | 44才 | 12年 | 64才 | 17年 | 84才 |
3ヶ月 | 5才 | 3年 | 28才 | 8年 | 48才 | 13年 | 68才 | 18年 | 88才 |
6ヶ月 | 9才 | 4年 | 32才 | 9年 | 52才 | 14年 | 72才 | 19年 | 92才 |
9ヶ月 | 13才 | 5年 | 36才 | 10年 | 56才 | 15年 | 76才 | 20年 | 96才 |
参考:小動物の臨床栄養学Ⅲ
猫ちゃんの健康管理について
人間と同様に猫ちゃんも病気やケガなどをします。健康検診や予防注射をして健康管理に気を配りましょう。猫ちゃんを家族に迎える時から信頼できる病院を探してしておくとよいでしょう。ネットで情報を調べるだけでなく、ご近所でペットを飼っている方たちから得る情報も重要です。なんでも相談できる獣医さん、時間外診療の対処法、適正な診療費かどうかなど、いざというとき不安のないようにしておきましょう。
しかし、ちょっとした日常の変化に気づいてあげられるのは、獣医の先生よりも一緒に暮らしているあなたです。日頃からスキンシップを心がけ、注意深く観察し、いつもと違った様子が見られたら、自己判断せずにすぐに病院に連れて行くことをお勧めします。
監修:桑原久美子
日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)獣医学部卒業。
神奈川県藤沢市 桑原動物病院副院長。
開業しながら、多数の犬・猫・小鳥を伴侶にし、経験をもとに獣医師と患者の立場で執筆活動をしている。主な著書に「正しいネコごはん 愛のQ&Aブック」(角川グループパブリッシング)、「新・子ネコの育て方百科―誕生から12ヶ月まで ネコの気持ちがわかるやさしい育児書」(誠文堂新光社)がある。
