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【獣医師監修】子猫のドライフードはいつから?与え方と食べない場合の解決方法まとめ

2021.7.19
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キャットフードは、給与目的や栄養素により「総合栄養食」、「一般食」、「間食(おやつ)」の3つに大きく分けられます。
「総合栄養食」とは、猫に必要な栄養素が全てバランス良く含まれているフードで、水とそれを与えるだけで健康が維持できるように作られています。一般的に知られている猫の総合栄養食としては、“カリカリ”と呼ばれるドライフード、缶詰やパウチに入ったウェットフード等があげられます。中でもドライフードは、利便性の高さや保存のしやすさ等の理由により、猫のメインの食事として広く親しまれています。
そこでこの章では、ドライフードの選び方や与え方、食べないときの原因と解決方法等をご紹介します。

監修者:村田 貴輝

日本獣医生命科学大学 獣医学部卒業。動物病院で臨床を経験後、アイシア株式会社入社。
<資格>獣医師、ペット栄養管理士、ペットフード安全管理者

INDEX

子猫にドライフードを与えてよい時期

ドライフードは子猫にいつから与えることができるのか、ドライフードの選び方や与え方もご紹介していきます。

子猫にドライフードを与えてよい時期

ドライフードは子猫の乳歯が生え揃う時期から与え始めることができます。離乳食として子猫用のドライフードをぬるま湯やミルクでふやかす方法もあります。
子猫用のドライフードを与えるのは、成長が落ち着く生後10~12ヶ月頃まで。生後12ヶ月頃を目安に成猫用のドライフードに切り替えていきます。


子猫のドライフードの選び方・与え方

子猫から成猫になるまでは、大切な成長期だからこそ栄養バランスのとれた食事を正しく与えることが重要です。

子猫のメインの食事となるフードは、子猫の発育に適したビタミンやミネラル類、タンパク質等がバランス良く含まれている「子猫用」のものを、さらに「総合栄養食」と記載があるものを選びましょう。

月齢や体重に合わせた給与量を商品に記載されている量を参考に算出し、1日数回に分けて与えましょう。ドライフードの水分含有量は一般的に10%以下と低いため、水をいつでも飲めるようたっぷりと用意しましょう。

ミルクから離乳食、離乳食から固形のドライフードと食事を切り替える際には、2週間ほどかけて少しずつ行います。切り替え時期には体重が順調に増えているか、健康状態に問題はないか等を確認しながら調整していきましょう。
また空腹が続くと低血糖を起こしてしまう恐れがあります。食事を与える時間の間隔はできるだけ一定にして、長時間空腹にならないよう気を付けてください。

猫の食の好みは生後6ヶ月頃までに食べたもので形成されるといわれており、この頃までに食べたことのない食べ物は、生後6ヶ月を過ぎた頃から避けるようになる傾向があります。そのため将来どのようなフードでも対応できるように、警戒心の薄い生後6ヶ月頃まではさまざまな種類のフードを与えるようにしましょう。


ドライフードの保存方法

嗅覚が鋭い猫は、劣化したドライフードに敏感に反応して食べなくなってしまうことがあります。ドライフードは正しく保存して、鮮度を保ちながら最後まで開封したてのような風味でおいしく食べられるようにしましょう。

まずドライフードは、未開封のものでも劣化を防ぐために保管場所に気を付けましょう。高温・多湿の場所、1日を通して温度差が激しい場所、直射日光の当たる場所で保管することは避けましょう。

さらに開封したフードは、酸化を防ぐためにできるだけ空気に触れさせないことがポイントです。
以下のような方法で保存するようにしましょう。

  • 袋を閉じるときは、できるだけ中の空気を抜いてから保存する

  • フードストッカー等の密閉容器、真空容器で保存する

  • 脱酸素剤や乾燥剤と一緒に保存する

  • ジッパー付き密閉袋に小分けにして保存する

  • 密閉袋に小分けして冷凍庫で保存する

しかし上記のような保存方法でも長期間保存することはおすすめしません。開封後はできるだけ早く使いきるようにしましょう。

好き嫌いや食べ飽きが原因かも?ドライフードを上手に食べさせる方法

猫は、匂いや味、食感に強いこだわりを持っているグルメな子が多いようです。
もしお皿にドライフードが入っているのに、飼い主におねだりをするようだったら“好き嫌い”や“食べ飽き”が原因で食べないのかもしれません。そんなグルメな猫においしくドライフードを食べてもらうための方法をご紹介します。

好みの味や香りを加えるのも効果的

猫がいつも食べているドライフードに飽きてしまったようであれば、ドライフードをぬるま湯でふやかしたり、電子レンジで少しだけ温めたりすると、香りが立って食べることがあります。それでも食べなければ、好みの味や香りを加えてみましょう。市販のウェットフードや猫用ふりかけ、かつお節等も利用できます。ドライフードの上にかけただけでは食べてくれない場合は、よくかき混ぜると食べてくれることもあるため、与え方を工夫してみましょう。
猫は匂いにとても敏感です。いろいろ試しながら愛猫の好みの香りを見つけましょう。


毎日同じフードがよいの?フードの種類を変えるときの注意点

グルメな猫は、いつも同じフードだと飽きてしまうことがあります。前述したウェットフードや猫用ふりかけ等を利用して少しずつメニューを変えたり、新しいフードを試してみたりするなど工夫が必要です。たとえば魚系のフードを食べなくなってしまった場合は、肉系のフードに変えたり、何種類かのフードをローテーションにして与えたりするのも良い方法です。

新しいフードに切り替える際は、急に切り替えることはせず、これまで食べていたフードに新しいフードを少量ずつ混ぜながら数日かけて切り替えていきましょう。猫はフードが変わるとお腹の調子が悪くなることや、吐いてしまうことがあるため、体調に変化がないか様子をみながら新しいフードに慣れさせていきましょう。

子猫が食事を食べないときに疑うこと

子猫が食事を食べず元気がないときは健康状態に、元気はあるのに食事を食べないときはフードや環境に問題があることがほとんどです。どんなときに子猫が食事を食べなくなるのか、考えられる原因パターンをご紹介していきます。

もしかしたら病気のサイン?健康状態をチェック

猫の食事量や時間は普段から確認するようにしましょう。個体差はありますが、半日経っても食事を食べない場合は何らかの体調不良を疑いましょう。いつもと違う様子がないか注意深く見てあげてください。
長時間空腹の状態が続くと低血糖を起こしてしまう恐れや、水も飲まないようだと脱水を引き起こす恐れもあります。逆に水を多量に飲む場合も心配です。
長時間何も口にしない等、子猫の様子に異変がある場合はすぐに動物病院へ連れて行ってください。


ストレスが原因?猫の行動やしぐさをチェック

猫はとてもデリケートな性質で、ちょっとしたことでもストレスを感じてしまいます。ストレスが原因で食欲不振になってしまったのだとしたら、ストレスの原因を解消するケアが必要です。

猫のストレスのサインは、

  • トイレを失敗する

  • これまでと違った鳴き方をする

  • 元気がない

  • 手や足を舐め続ける 等

引っ越しや部屋の模様替え、来客や長時間の留守番等も猫にとってストレスになります。猫がストレスを感じていないか、行動やしぐさを注意深くチェックするようにしましょう。


食器、フードの状態等食事環境をチェック

猫は環境の変化が苦手です。そのため食事を食べなくなった原因が、環境の変化によるものである可能性も。これまでの食事環境と何か変わったことがないか思い返してみてください。
たとえば、

  • 食器が変わった

  • 食事を与える場所が変わった

  • フードを変えた 等

このような変化が原因で食事を食べなくなってしまった場合は、元通りにしてあげれば食事を食べるようになります。
逆に、同じ環境に飽きてしまって食べなくなる猫の場合、食器や食事場所、フードや盛り付けを変えることで食べるようになることもあります。

嗅覚が優れた猫は、見た目ではわからない“匂い”でフードの変化を察知して食べなくなることがあります。香りが飛んでしまっている、酸化してしまっている、カビが生えてしまっている等、フードが劣化しているのかもしれません。フードは正しく保存して新鮮な状態をキープするように心がけましょう。

今回はドライフードを中心にご紹介しましたが、ドライフード以外にもセミモイストタイプやウェットタイプの総合栄養食も市販されています。子猫の時期に親しんだ食事は高齢になっても好みに影響するので、将来何らかの専用フードを与える必要が出てきたときに、その味が慣れ親しんだものであると切り替えを容易に行うことができます。

猫はグルメで気まぐれなので食事のお世話は大変かもしれませんが、愛情を込めて一工夫を加えることは猫と暮らす楽しさでもあります。

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