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【獣医師監修】猫のごはんのあげかた│食事の選び方・回数・量、与えてはいけないものまですべてわかる

2024.10.1
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猫が健康に過ごすために、毎日のごはんはとても大切です。どんなキャットフードを選べばよいのか、1日に何回あげるのがよいのかなど、猫のごはんに関する疑問は尽きませんよね。この記事では、猫に必要な栄養素、食事の回数や量、与えてはいけない食べ物まで、猫のごはんについて解説します。

アイシア 「猫の育て方」編集部監修

アイシア(株)在職で商品開発にも携わり、臨床経験もある獣医師が所属している「猫の育て方」編集部。商品開発などのお仕事を通して、猫の健康的な生活について考えているメンバーが揃っています。

INDEX

猫のごはんの選び方とポイント

市販のキャットフードには、次のような種類があります。

  • 総合栄養食

  • 一般食(副食)

  • おやつ(間食)

  • 療法食

この違いをご存知ですか?
猫の食事では、目的に合ったキャットフードを選ぶことが大切です。キャットフードのパッケージには、その商品が上記のどれに分類されるかが表示されています。4つの種類のキャットフードについてまずは解説していきましょう。


総合栄養食ってなに?

総合栄養食とは、猫に必要な栄養素がすべてバランスよく含まれているペットフードのこと。総合栄養食のペットフードと水を与えるだけで必要な栄養が満たされるため、毎日の主食として選ぶことをおすすめします。猫に与える時は、年齢や成長段階に合わせるようにしましょう。


一般食(副食)ってなに?

ウェットフードに多いタイプです。ウェットフードには総合栄養食タイプのほか、「一般食」や「副食」と書かれているものがあります。一般食(副食)は総合栄養食ではありませんので、そればかりを食べさせると、猫の成長に不可欠な栄養素が不足する場合もあります。そのため、総合栄養食と併用して与えるようにします。
食が細い、または食事に興味を持たなくなってしまった猫には、バラエティに富んだ一般食(副食)からフードの選択をしてみるのもよいでしょう。


おやつ(間食)ってなに?

おやつ(間食)は、しつけやご褒美などを目的としたフードのこと。飼い主とのコミュニケーションにも役立ちます。適量であれば、時間を気にせず与えることができますが、それぞれの家庭でルールを決めて与える方がよいでしょう。
おやつ(間食)のなかには、総合栄養食基準を満たしたものがあります。給与量の目安が、1日に必要なエネルギーを満たすための給与量と誤認しないように注意しましょう。


療法食ってなに?

療法食とは、特定の疾患や疾病に対する食事療法のために栄養バランスが考慮されているフードです。給与については、自己判断をしないで、獣医師の指示に従うようにしましょう。

ドライフードとウェットフードの違い

猫の総合栄養食として一般的に知られているのは主に2つ。“カリカリ”と呼ばれるドライフード、缶詰やパウチに入ったウェットフードです。中でもドライフードは、利便性の高さや保存のしやすさ等の理由により、猫のメインの食事として広く親しまれています。

ドライフードとウェットフードの特徴について、それぞれ見ていきましょう。


ドライフードの特徴

ドライフードは、水分含有量が10%程度で、栄養バランスのとれた総合栄養食です。ウェットフードに比べて同じ重量あたりのエネルギー量が高いため、効率よく栄養を摂ることができます。
猫の年齢や好みに合わせて選べるように、年齢に適した成分に調整されたもの、味のバリエーションも様々です。また、粒の大きさや薄さ、形もメーカーなどによって異なります。 開封後の保存性も高く、食べ残しがあっても、食器に入れたまま出しておくこともできます。家を留守にしがちな方が飼っている猫には、ドライフードの給与が適しているといえるでしょう。


ドライフードの保存方法

ドライフードは、賞味期限や保存方法をよく確認をして、正しい方法で保存しましょう。
保管場所は、高温・多湿の場所や直射日光の当たる場所は避けてください。
開封したフードは、フードストッカー等の密閉容器で保存するなど、酸化を防ぐためにできるだけ空気に触れさせないことがポイントです。
鮮度を保ちながら最後まで開封したてのような風味でおいしく食べられるようにしましょう。


ウェットフードの特徴

ドライフードの水分含有量が10%程度に対し、ウェットフードは水分含有量が80~90%程度。ウェットフードは主に素材を活かして作られていて、風味がよく食べやすいという特徴があります。総合栄養食だけでなく、バラエティに富んだ一般食(副食)も多く市販されており、フレークタイプ、ペースト、スープ、パテ、ムースなど、いくつかのタイプがあります。猫の嗜好や体調、年齢に合わせて与えましょう。

  • フレークタイプ

    ツナ缶のように素材の形が残っているウェットフード。素材本来の食感を楽しめるのが特徴で、満腹感を得られやすく噛みごたえもあります。

  • ペーストタイプ

    魚や鶏肉などの素材がペースト状になっているウェットフード。柔らかく食べやすいので、子猫の離乳食やシニア猫にもおすすめです。

  • スープタイプ

    だしやうまみエキスなどが効いたスープに具材を入れたウェットフード。おやつや、一般食として販売されていることが多いです。

ウェットフードの容器は缶やパウチ、カップなどがあります。生活環境に合わせ、また保管のしやすさや与えやすさなどから、容器を選ぶというのも選択肢の一つです。賞味期限の面ではパウチが2年であるのに対し、缶は3年ですので、災害に備えたストック用としては缶が適しているといえるでしょう。


ウェットフードの保存方法

ウェットフードは水分量が多いので、一度開封したらドライフードと比べると傷みやすいです。開封後、ウェットフードが余ってしまった時は、ラップをするなどし、冷蔵庫で保存しましょう。
冷蔵庫で保存していたウェットフードを給与するときは、冷たいままだと食べてくれない猫もいます。そのような場合は、電子レンジでフードを人肌くらいの温度に戻すと、食べてくれることもあります。
冷蔵庫で保存してもなるべく早くに使い切る、使う時には匂いを嗅いでみて、傷んでいないか確認することも大事です。

猫のごはんの回数と量

猫の食事では成長過程に合わせながら、食べられる量や必要な栄養素の量、消化機能の働きなどによって回数を調整することが大切なポイントとなります。ここでは、猫が健康で長生きできるよう、食事の与え方の基本について学びましょう。

子猫の食事の回数と量は?

子猫への給与量と食事の回数は子猫の成長段階(月齢)と体重に合わせて調整していきます。離乳したての頃は頻回に、その後は様子を見ながら減らしていき、6ヵ月を過ぎたら3~4回程度にしてよいでしょう。また、与えるフードの種類によって異なるため、パッケージに記載されている推奨給与量やカロリーを参照することも必要です。
一例としてドライフードの『MiawMiawカリカリ小粒タイプ子ねこ用』で見ていきましょう。

MiawMiawカリカリ小粒タイプ子ねこ用:
1日の給与量目安(g)
体重
(kg)
離乳
~4ヵ月
4
~9ヵ月
9
~12ヵ月
0.5 40 35 -
1.0 65 55 45
1.5 85 70 55
2.0 100 85 70
3.0 130 110 90
4.0 - 135 105
5.0 - - 125

成猫の食事の回数と量は?

成猫の場合、食事の回数は2~4回に分けて与えるとよいでしょう。食事の直後にフードを吐き戻してしまう場合、少量頻回に与えてみると吐き戻しを軽減できることがあります。

個体差や運動量によっても異なりますが、去勢した猫や室内猫の場合、1日に与える食事の目安は、以下のようになります。

MiawMiawカリカリ小粒タイプ成猫用:
1日の給与量目安(g)
体重
(kg)
給与量(g/日)
2.0~4.0 30~45
4.0~6.0 45~60
6.0~8.0 60~75

ただし、猫の状態によって食事を変える必要もあります。

  • 活発な猫の場合:上記表の1.5倍程度の給与量を目安に。

  • 肥満気味の猫の場合:おやつ(間食)を控える、低カロリーのフードに替えるなど、摂取カロリーを抑える。

  • 妊娠期や授乳期の猫の場合:通常の2~4倍のエネルギーが必要。栄養価の高いものを与える。


おやつ(間食)の量の目安

おやつ(間食)の量は、1日に必要なエネルギーの20%以内に抑えるようにします。市販されているフードのパッケージに表示されている給与量を守り、適正体重を維持できるように心がけましょう。

体重4kgの成猫の場合には、1日分の「おやつ(間食)」の量は以下のような計算になります。

健康な成猫の一日に与えられるおやつ(間食)量の例
  • 4kgの猫ちゃんの1日に
    必要な摂取カロリー(中央値)160kcal
  • おやつ(間食)の割合0.2(20%)
  • おやつ(間食)の量32kcal

猫に必要な栄養

猫の健康維持には、食物に含まれる主な栄養素である「タンパク質」「炭水化物」「脂肪」「ビタミン」「ミネラル」と、これに「水」を加えた6大栄養素を、適切なバランスで摂取することが必要です。猫に必要な栄養素について、順番に見ていきましょう。

  1. タンパク質(アミノ酸)

  2. 炭水化物

  3. 脂肪

  4. ビタミン

  5. ミネラル


①タンパク質(アミノ酸)

猫の祖先は、砂漠で生活し、小動物や、鳥、虫、爬虫類などを食料とし、水はあまり飲まず、植物をほとんど食べない「完全肉食動物」でした。 そのため、猫の食事にはタンパク質が不可欠で、すべてのライフステージにおいて犬よりもタンパク質を必要としています。タンパク質は主なエネルギー源として利用され、筋肉や臓器、皮膚、被毛といった体の構造の維持と成長、免疫力の向上に欠かせない重要な成分です。低タンパク質の食事では栄養不足になってしまいます。

タンパク質を構成するアミノ酸の中には、猫が体内で合成できず、食物から摂取しなければならないもの(必須アミノ酸)があります。猫の必須アミノ酸は11種類あります。その中でもタウリンとアルギニンについて紹介します。

・タウリン
タウリンは、肉類や魚介類に多く含まれるアミノ酸です。網膜の健康維持、心筋の収縮運動、神経伝達などに関与する成分です。タウリンが不足すると、網膜萎縮や失明の危険があります。その他にも、拡張型心筋症、免疫機能不全、子猫の成長遅延、繁殖機能低下などが起こる危険もあります。

・アルギニン
アルギニンは、肉類やゼラチンに多く含まれるアミノ酸です。アンモニア代謝や、血糖のコントロールに関与する成分です。アルギニン不足は、高アンモニア血症を発症し、死に至る危険があります。


②脂肪

脂肪は、タンパク質と並んで重要なエネルギー源となり、食事に嗜好性(風味・おいしさ)を持たせ、食欲を増進させる効果があります。その他にも、脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、体内で合成できない脂肪酸(必須脂肪酸)を供給したりします。

猫の必須脂肪酸は、リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸の3種類です。リノール酸、アラキドン酸は「オメガ6脂肪酸」、α-リノレン酸は「オメガ3脂肪酸」に分類されます。脂肪酸は、様々な生理活性物質(ホルモンや神経伝達物質)や、脳の神経組織の構成成分となり、皮膚や被毛の健康の維持、認知機能の改善などに関与するといわれています。

脂肪不足は、皮膚や被毛のトラブル、脳神経系の異常、繁殖障害などを引き起こす可能性があります。一方で、過剰摂取は、肥満をはじめ様々な病気の原因にもなります。


③炭水化物

人間や犬などの雑食動物は、主なエネルギー源として炭水化物を利用していますが、肉食動物である猫はタンパク質や脂肪をエネルギー源として利用できるため、炭水化物は多くを必要としないと考えられています。炭水化物の過剰摂取は、肥満や糖尿病の原因になる可能性も指摘されています。


④ビタミン

ビタミンは、タンパク質や脂肪、ミネラルなどの代謝に関与し、体の様々な機能を調整する栄養素です。ビタミンは、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに大別されます。

【脂溶性ビタミン】

脂溶性ビタミンには、ビタミンA、D、E、Kがあります。一定量の脂肪と一緒に摂取することで、効率よく吸収されます。脂溶性ビタミンは、体の脂肪組織に蓄積するため、過剰摂取に注意する必要があります。

  • ビタミンA

    ビタミンAは、視覚、粘膜、皮膚の状態を維持する働きがあります。
    欠乏症になると、眼疾患、皮膚疾患、繁殖障害、感染症や肺疾患などが見られ、逆に過剰症になると、関節異常や繁殖機能低下などが見られます。

  • ビタミンD

    ビタミンDは、カルシウムやリンの代謝を調節し、歯や骨の形成を助けます。欠乏症になると、体重減少、骨軟化症による関節、筋肉の痛み、骨折の症状が見られることがあります。逆に、過剰になると、軟組織へのミネラル沈着、高カルシウム血症、沈うつ、嘔吐、嗜眠などを引き起こす可能性があります。

  • ビタミンE

    ビタミンEには、抗酸化作用があり、活性酸素によるダメージから細胞膜を保護します。欠乏症になると、筋力低下、繁殖障害、網膜変性、脂肪組織の変色などが見られます。ビタミンE過剰症に関しては明確になっておらず、リスクは少ないといわれています。しかし、他の脂溶性ビタミンの吸収を抑制し血液凝固に問題を引き起こす可能性があるともいわれています。

  • ビタミンK

    ビタミンKは、酵素の補助因子として働き、血液凝固などに関与します。欠乏症になると、血液凝固の阻害、消化管、鼻、皮膚および脳の出血が起こる可能性があります。

【水溶性ビタミン】

水溶性ビタミンには、ビタミンB群、ビタミンCなどがあります。なお、水溶性ビタミンは、過剰に摂取しても、尿と共に体外に排出されるため、過剰症は起こりにくいとされています。

  • ビタミンB群

    ビタミンB群には、B1、B2、B6、B12など、様々な種類が存在し、それぞれ働きが異なります。神経機能の維持、細胞の活動に必要なエネルギー生成などに関与しています。生の魚介類を多量摂取すると、ビタミンB1欠乏症となり、ふらつき、麻痺、けいれんなどの症状が出ることがあります。

  • ビタミンC

    抗酸化作用があり、加齢や運動による酸化ストレスや、関節の損耗に関連する病気の予防に関与します。


⑤ミネラル

ミネラルは、骨など体の構成成分となる他、細胞内外の水分の移動、pHの維持を行う栄養素です。体内に比較的多く存在する「主要ミネラル」(例:カルシウム、リン、マグネシウムなど)と、体内の量が少ない「微量ミネラル」(鉄、亜鉛など)があります。


⑥水分

水は、老廃物の排泄、代謝、体温調節など、体の機能を維持するために重要な成分です。飲水量が少ないと、脱水症状を起こしたり、尿路結石症(尿石症)、膀胱炎などの病気にかかることがあります。

年齢ごとの与え方

猫の年齢に合わせ、適切な食事を与えることも大切です。

生後1ヶ月頃まで

生後1ヶ月頃までは哺乳期となります。この時期は、高脂肪・高タンパクな母乳か、子猫用ミルクだけで育てます。市販されている子猫用ミルクには、初乳の免疫成分を含んだものや、お湯に溶かして作る粉末タイプのもの、温めて使用する液体タイプのものなどがあります。


生後1ヶ月~2ヶ月頃

生後1か月頃になったら、子猫用のウェットフードや子猫用のドライフードをぬるま湯でふやかしたものなど、飲み込みやすいやわらかい食事を用意しましょう。乳歯が生えそろっていない離乳期の子猫でも食べやすいペーストタイプのウェットフードを利用するのもよいでしょう。与えはじめは離乳食にこれまで与えていた粉ミルクを混ぜるとよいでしょう。

また、離乳期の子猫は消化器官がまだ発達していなので、食事は1日4~6回程度、3~6時間おきに与えます。長時間お腹を空かせてしまうと低血糖を起こしてしまう恐れがあるため、できるだけ一定の間隔で給与するようにしましょう。


生後3ヶ月~12ヶ月頃

この時期は、身体が大きくなり、骨や内臓などが発達する成長期です。食に対する好みは幼い時期の食生活で形成されるといわれています。偏食なく、栄養バランスの良い食事ができるように、成長期にはさまざまな食材や食感の食事を与えるようにしましょう。

また、成長期の子猫は、成猫に比べて多くのエネルギーと栄養素が必要となります。特に生後4ヶ月頃までは、体重当たりのエネルギー量が成猫のおよそ2倍も必要となっており、タンパク質、ミネラル類、ビタミン類も多く必要となります。そのため成長期の子猫には、必要なエネルギーが摂取でき、最適な栄養バランスとなっている「子猫用」の「総合栄養食」と表示されているフードがおすすめです。


成猫期(1~6才頃)

成長過程で一番長い成猫期には、バランスのよい食事を心がけるようにします。個体差や運動量によっても必要な食事量は変わりますが、必要な栄養素がバランスよく配合された総合栄養食を中心に、猫の好みに合わせて一般食(副食)、おやつ(間食)なども適量与えてもよいでしょう。
太りやすい時期でもあるため、カロリーに気をつけるほか、十分な運動をさせてあげるよう心がけましょう。


シニア期(7才頃~)

シニア期といわれる7歳頃から、運動量も減り、基礎代謝が低下してきます。
さらに、10歳を過ぎてくるとエネルギー摂取量が減り、体重が落ち始めます。脂質の消化がうまくできなくなることが関係しているため、消化の良い脂質を多めに摂取するとよいでしょう。
過度なたんぱく質は腎臓への負荷があるため推奨されませんが、筋肉量や免疫機能の維持のためにも適度なたんぱく質の摂取が必要になります。

歯の状態も悪くなり硬いものを食べられなくなる猫もいます。そのような場合には、食べやすく飲みこみやすいフードを選んで与えるようにしましょう。運動不足から便秘になることもありますから、適度な運動に加え、食物繊維などが豊富で腸内環境を整えるような食事を与えることも大切です。

水の与え方

食事と同じように、猫にとって飲み水は大変重要です。猫に多い腎臓病や下部尿路疾患を予防するためにも、いつでも清潔で新鮮な水を飲めるようにすることが大切です。

特に、高齢の猫は(腎臓病などで水分要求量が増えることもありますが)、水分に対しての欲求が少なくなりがちなので、水分量の多いウェットフードを与える割合を増やすなどの対策も考えましょう。

反対に、異常なほど水を飲み、おしっこの量が増える場合(多飲多尿)は、何らかの病気のサインの可能性があります。猫の多飲多尿の症状が出る病気には、急性・慢性の腎障害や、糖尿病、甲状腺機能亢進(こうしん)症、高カルシウム血症など、様々なものがあります。多飲多尿が見られる場合は、早めに獣医師の診察を受けることをおすすめします。

「猫が一日に必要とする水の量」「水の置き場所や入れ替え」「どんな水を与えればよいのか?」詳しくはこちらをご参照ください。

猫に与えてはいけないもの

人間にとって問題ない食べ物でも、猫にとっては毒性のあるものや、消化不良やお腹を壊してしまうものがあります。また、人間の食事で味付けに使う調味料が猫にとっては過剰摂取となってしまう場合もあります。

猫に与えてはいけないものを詳しく見ていきましょう。


与えてはいけないもの

  1. ネギ類

    タマネギやニラ、ニンニクなどのネギ類は、それらに含まれるアリルプロピルジスルファイドという成分が猫の赤血球を破壊するため、決して与えてはいけません。この物質は加熱しても分解されないので、ハンバーグやシチューなどネギ類の入った加工食品や料理にも注意が必要です。

  2. チョコレート

    チョコレートの原料であるカカオに含まれているテオブロミンという成分が中枢神経を刺激し、身体に悪影響を及ぼします。カカオ含有量の多いものほど注意が必要です。

  3. ブドウ、レーズン

    ブドウ、レーズンは実だけではなく、皮や種など部位や品種に関係なく、また、果汁が含まれているお菓子やジュース、食品も与えないようにしましょう。
    たとえ少量であっても腎機能障害が進むことがあります。食べてから数時間以内に嘔吐や下痢の症状が表われることがあり、この他にも無気力、排尿減少などの症状が表われることがあります。
    ブドウやレーズンは猫の届く場所に置かないようにしましょう。

  4. 鶏の骨

    鶏の骨は縦にとがった状態で割れやすく、のどや消化管を傷つける恐れがあります。

  5. 一部の観葉植物

    花や葉に興味を持ち口にしてしまう猫もいますが、猫にとって危険な観葉植物もあるため、部屋に置く際は注意しましょう。とくにユリ科の植物は強い腎毒性を持つため、部屋に置いてはいけません。

  6. その他、アレルギー

    人間だけでなく、猫の食物アレルギーも増えています。病気ではないのに嘔吐や下痢が続く場合は、アレルギーを疑ってみることも必要です。動物病院で検査を受けることもできるので、心配な場合は診察を受けてみましょう。


与えすぎてはいけないもの

少量を口にしただけでは問題ない食材でも、長期間にわたり摂取し続けることによって、病気を引き起こすような食べ物もあります。定期的な食事として与えるのは避けましょう。

  1. 塩分の多いもの

    塩分の排出が得意ではない猫にとって塩分の過剰摂取は、心臓や腎臓疾患の原因となります。人間にとって薄味であっても、猫にとっては高塩分です。

  2. ホウレンソウ

    シュウ酸が多く含まれているので、シュウ酸カルシウム尿石症の原因になることがあります。

  3. イカ・タコなどの魚介類、カニ・エビなどの甲殻類、貝類

    生魚や、イカ・タコ、スルメなどは消化しにくいので、下痢や嘔吐の原因になります。また、イカや貝、カニ、エビなどに含まれているチアミナーゼという酵素は、ビタミンB1を分解するため、食べ過ぎるとビタミンB1欠乏症を発症するおそれがあります。チアミナーゼは加熱すると破壊されるので、加熱した場合は問題ありません。

  4. 生卵

    アビシンという酵素が皮膚炎や成長不良などを引きおこすことがあります。加熱調理すれば問題ありません。

  5. 煮干・海苔

    マグネシウムの摂取過剰により、尿路疾患を引きおこすことがあります。

  6. 米飯

    消化、吸収が得意ではありません。与えすぎると消化不良を起こして下痢や吐き気を起こす可能性があります。

  7. レバー

    ビタミンAや ビタミンDが過剰になり、食欲不振や関節炎を引きおこすことがあります。

手作り食を与えるときはこれらの食材に注意しましょう。

多頭飼いのときの食事の与え方は?

複数の猫たちと一緒に暮らしている場合は、各々の食事量を把握することが難しくなります。猫の頭数分だけ食事用の器を用意し、それぞれが食べ残したフードはすぐに片づけましょう。また、特定の猫ばかりが食べることのないよう注意し、食事を与える部屋を別にするなどの工夫をしましょう。

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